愛されガチャコと愛されたいあくびのくらし Day3：ガチャコ流、就職活動必勝法！？

ブサイクなのになぜか愛される猫のガチャコと、頑張って生きているのになぜか幸せになりきれない飼い主のポンデ・あくびさん。
ガチャコの勝手気ままな生き様から、女の子の幸せについて考える大好評連載、第三弾！

ガチャコの運動不足を心配したあくびさんは、あるおもちゃの導入を決意します。ところが、ガチャコの使い方は思わぬもので……？
就職活動をがんばる皆さん、ちょっとひと休みして、ガチャコからのエールを受け取っていきませんか？

「健康のために少しでも動いてほしい……」
寝てばかりいるガチャコのダイエットのために、おもちゃを買ってあげようと思いつきました。
ネットで『猫　夢中　おもちゃ』で検索し、さまざま研究した結果、ついに”スピードサーキット”というおもちゃを購入。
ドーナツ状のレールの中に入ったボールが転がる、どんな猫ちゃんも夢中になること間違いナシ！という、大人気のおもちゃなのです。

こちらが製品のパッケージ。
現在はさらに進化して、レールが長くなっているそうです。

こちらが実際の使用イメージ。

子猫ちゃん、とても楽しそうにボールを追いかけていますね。

このおもちゃでたくさん遊んで、ぽっちゃりかわいいガチャコがスマートな美しい猫になってしまったらどうしよう……そんな一抹の不安を抱きながら、さっそくリビングにおもちゃを設置しました。
新しい物を偵察しにきたガチャコは、サーキットの周りを歩いてひとしきりクンクン、匂いをかいでいます。果たして気に入ってくれるのでしょうか？緊張しながら見守ります。

するとおもむろにサーキットの内側へ入り、ゆっくりと腰を下ろしたのです。

……ん？あれあれ？

なんとサーキットの輪は、ガチャコの体型にジャストフィット。
悠々と、おもちゃの上でくつろぎはじめました。

思ってたんとちがーう！！

その後、レールの中のボールが動くことは、ついに一度もありませんでした。
使い方はまったく見当違いではあるものの、ガチャコはサーキットの上でとても満足げにしています。
私の“おもちゃは遊ぶもの”“猫は動くボールを追いかけたいもの”という固定観念を覆し、ガチャコは、もっと自分に合った楽しみ方を見つけたのでした（そもそも、いつもノソノソしているガチャコにスピードを求めた私が間違ってました）。

私は長年twitterをしていることもあってか、比較的幅広い年代の方々と交流する機会が多くあります。
そんな中でよく耳にするのが「就職活動がツラいです……」という切実な言葉。
若い人の多くが直面するハードルの前で、みなさん同じように悩み、苦しんでいます。
企業からのお祈り（不採用）メールが届くたびに自分の存在価値を否定してしまう……自信や目標を喪失してしまいそうになる……そんな人も多いのではないでしょうか？

実は私、アルバイトも含めるとこれまでに30回くらいも転職しています。
思い返すと、さまざまな職場でさまざまな経験をしてきました。
コンビニ店員、喫茶店のホールスタッフ、歯科助手、ゲームのシナリオライター、ヘアメイク、着物の金彩加工、経理、秘書、エトセトラ。
ひとりでシムシティも作れるんじゃないかというほど、ありとあらゆる仕事をしてきました。
個人商店で働いたこともあるし、ベンチャー気質あふれる中小企業、名だたる大企業でも働いたことがあります。自分自身でお店を持ったことまであるんです。

そんな私の“職探し”は、いつも想定外の連続でした。
『ラクできそうだぞ！』と選んだ職場では逆にそのユルさが性に合わず、もっとバリバリ頑張りたくなったり、面接に受かってからブラック企業だと知って後悔した会社が意外にネタの宝庫で面白かったり、自由に働きたくて在宅勤務希望で入った会社だったのに、研修をしているうちに同僚とすごすのが楽しくなって、いざ在宅勤務になったら寂しくて病んでしまったり、七五三のときに着せられた着物がイヤでイヤで、お詣りの帰りにビリビリに破った過去があるのに、なぜか職務経歴の半分は着物に携わる仕事をしていたり……。

仕事に関してはまさに、「思ってたんとちがーーう！！」と叫びたくなるような経験を散々してきました。
でも、どんな職場でどんな仕事をしていても、楽しいことや新たな発見を必ずと言っていいほど得られた私は、もしかすると幸せ者なのかもしれません。

私ほどではなくても、仕事選びの中ではきっと誰もに、予定外、想定外の事件がたくさん起こると思います。
上手くいったと思っていた選考であっけなく落とされてしまうこともあれば、失敗して絶望的な気持ちになっていた選考になぜか通ることもありますよね。
やっとのことで内定を獲得しても、希望していなかった業界で働くことになったり、いざ入社してみたら思い描いていたイメージと全然違ったりということもよくあると思います。

でもそれってもしかすると、自分の固定観念を覆すチャンスなのかもしれません。
思い込みを捨てて違うところに目を向けてみたら、あなたをかけがえのない存在として受け入れてくれる素敵な会社が待っているかもしれません。今まで知らなかった自分の適性が、発見できるかもしれません。


おもちゃの正しい遊び方も、飼い主の切なる願いも完全に無視して、いかにも心地よさそうにサーキットの上で丸くなっているガチャコの姿を見ていると、そんなことを思わされます。
たとえ見慣れないおもちゃを前にしても固定観念なんて持たず、心地よい使い方を自分で見つけ出してしまうガチャコは、究極の柔軟ガールなのです！

ツラく厳しい就職活動の中にあっても柔軟性を失わずにいれば、いつしか楽しいことや面白いことも出てきて、ツラさや厳しさも消えてなくなっていくのではないでしょうか。
そして来年の春にはきっと、頑張った皆さんが新たな希望を胸にまた一歩踏み出して、自分らしく活躍できる場所を見つけていけるといいなあと願っています。

遊びにきた息子の友達がガチャコをものすごく可愛がっていたので「猫好きなの？」と尋ねてみると、「この猫だけ好き！」と愛があふれた笑顔で答えてくれました。
ガチャコはとっくにオンリーワンの座までも射止めてしまっていたのでした。
ああ、ガチャコがうらやましい……。

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